√理解できないのはいつものコトなんですけど、今回はちょっと納得できない。
ウチダ先生が『技術立国』についておっしゃってるコトについて二晩考えたですが、いまひとつ腑に落ちないのでとりあえずメモしときます。いまのわたし達に無理なコトだって、そのうちわかるようになるかもしれないし。
先生はその文章のなかで小田嶋隆さんが『松下電器の製品不良』についてお書きになった文章をうけて“
問題は技術ではなく、技術者の「エートス」にある”と説いて(解いて?)おられます。
(cf.毎日新聞@excite:<松下電器>石油温風機[LINKROT]
そしてそこからさらに言葉を続けて
“本学の建築物のうち、さきの震災でびくともしなかったのは昭和初年に建築された建物である。
70年代に某ゼネコンが設計施工した建物はよれよれに歪んでしまった(私はいまジャッキアップして歪みを直したその「よれよれ」ビルの中で執務している)。
もちろんゼネコンの作った建物も建築基準法にはかなっていた。
だが、「60年に一度の震災」に耐えるほどの強度はなかった。
震災後、設計図を見比べてみたら、昭和初年にヴォーリズが設計した建物は地下の基礎が建築基準法の要求する数値の3倍の深さに達していた。
「見えないところ」に、建築後60年後の「顔をあわせる機会もないクライアント」のために、十分な気配りをすること。
そのような「強い想像力」をもちうることを「クラフトマンシップ」と言うのだと私は思う。
震災以前、本学に来てこの校舎を値踏みしたS和総研の調査員はこの建物を「ゼロ査定」した。
よれよれのビルを建てたゼネコンの社員やこの総研の調査員に顕著なのは「技術者のエートス」というものに対する敬意の欠如である。
クラフトマンシップというのは、本来「コスト」や「四半期決算」や「株価」とはかかわりのない次元のものである。
むしろ、それに対立するものである。
いま連日新聞を賑わしているのは、この「技術者のエートス」が「金勘定」の世界にまみれ、むしろその風下に立っている浅ましい姿である。”
と実体験に基づいたご意見を述べておられました。
コスト度外視でいい材料をつかい、納得のいくものを仕上げるのが職人の夢だというのはその通りだろうなとわたし達もおもいます。
だけど必要&充分な条件を冷静に見積もって、その通りにきっちり仕上げるのが技術者の方々がふるうべき腕だろうという気もするのです。一万回の動作しかしないとわかってる機械を二万回でも三万回でも大丈夫なようにつくることより、一万百回目あたりでまずトラブルにつながらない箇所から壊れていくように仕上げることの方が難しいっていうし。
うまくコトバにできませんが、ウチダ先生のオコトバはわたし達の耳には心地よく響くけれど、黙って現実的な条件と折り合いながら誠実な作業を続けているたくさんの『CRAFTSMEN』の存在を無視して、そういう方々と姉歯さん達を無条件で同じ地平に置いてしまってないかという気がしてせつなかったり。
でも『エトス』についてのハナシだからそれでもいいのかな、どうなんだろう〆
追記:そういえばバカヤマ部屋の本館は戦前の建物なんですが『対B29仕様』で建てられてるから地震が来ても絶対に大丈夫だと聞かされたことがあります。
でもそのせいで立て替えることが難かしくて『事務方』の皆様を困らせているとか、軍関係の施設として求められている機能と
相撲部屋 教育施設に必要な機能はまったく違うんだからアタリマエのことなんですけどね〆
衆議院の証人喚問、民放でも中継されていたそうです。
(cf.共同通信@excite:鉄筋減らせと木村建設圧力 元支店長は否定[LINKROT]
寝過ごしついで観ていた知り合いからのメールでは各社とも『元支店長』さんが黒幕で姉歯さんは気の弱さを利用されただけという構図みたい。
それでいいのかな、実際にはなぜ98年からはじまっていた(らしい)偽造がこれまで表面化しなかったのか、と気づいた方が声をあげてからも建設と販売が続いたのは『構造的な欠陥』があったってことにはならないのか、な〆 12/14/05
*あれでも足りないとお考えの方も多いらしい。
(cf.毎日新聞@excite:証人喚問「追及が甘い」 自民党に抗議殺到[LINKROT]
でも追求するのは警察や検察、裁判所のお仕事でしょう。
(cf.毎日新聞@excite:総研、平成、イーホームズも捜索対象 合捜本部[LINKROT]
今回の証人喚問に問題があるとしたらカメラを意識して繰り返し謝罪を要求したり、そのうえ『まったく伝わってこない』と応じるパフォーマンスの方だと思う、真に迫ってて格好よかったけど、あれって
大人のやることなのかな〆 12/16/05
*もちろん証人の皆さんが憎まれるのは仕方ないし、同じように『騙されたかもしれない普通の人たち』が怒るのもあたりまえなんです。でもあれはなんか違うと思う〆
*実際にニュース映像をみてみると確かにそれぞれの方々の性格がはっきりとでて(ようにみえ)ましたね。ホントにわかりやすい、でもそれでいいのかな。どうなんだろう〆 12/15/05
続報:いや調べるのも裁くのも『本職』の方が乗り出しておられるんだから、立法府が国民になりかわってカメラの前で『追求』する必要はないとおもうけど、それじゃダメなんでしょうか。
(cf.毎日新聞@excite:1月にヒューザー社長証人喚問 与党が方針転換
本音をいえば、ちょっとはみてみたいけどさ。でも一月のいつごろやるもつもりなんでしょう、これが中旬すぎになってしまうと『もうおなかいっぱい』状態であてが外れたりして (マテ〆 12/22/05
続報:それは物理的に厳しそう。
(cf.毎日新聞@excite:<耐震偽造>姉歯氏、相場の4分の1で契約[LINKROT]
具体的な指示があってもなくても姉歯さんはご自分の『看板』であの計算書をつくったんだから責任は負うべきだけど、ヒドイですね。
でもそうやって『コスト削減』していった部分のどれくらいが『割安感』をだすためにつかわれたんだろう。安いモノには安い理由があるみたい、あたりまえだけど。
わたし達が普段降りる駅の隣の駅前にも『危険な物件』が確認されたそうです。いまはガラガラらしい。一番災難なのは『選択の余地』がなかったご近所の方々ですけど、どうするんだろう。
そしてウチの隣でつくってるアレは大丈夫なのかな...... (マテ〆 12/24/05
続報:そもそも『見抜け』た検査機関っていくつあったんでしょう。
(cf.毎日新聞@excite:イーホームズ、再検査物件も偽造の判断できず[LINKROT]
それがわからないとわたし達シロウトにはホントに『イーホームズ』と幾つかの検査機関だけがハズレだったのかどうかはわからないし。
って他の機関では見抜けてたとしたらなんでそのままになってたのかが怖いし、無理だったとしたらそれこそ......〆
*えっと、立ち入り検査の結果はとりあえず“
構造計算書で耐震強度が基準を下回っていたにもかかわらず建築確認を出すなど、姉歯秀次元建築士の関与のない物件について、7社で計8件の重大な問題があ”って“
34社が、構造計算書とそれを基に作成された構造設計図を照合していなかったり、本来認められない審査の省略をしていたりした”んだそうです。
(cf.共同通信@excite:7社の建築確認に問題=大半が偽装可能性認識せず [LINKROT]
でもこれって再計算したわけじゃなくて手順を確認しただけなんだよね? あれだけ時間があったらホントに身に覚えがあるところはもうきちんと審査したように『偽装』してしまってるのでは〆 12/29/05
続報:『交換』だけじゃなく、温風器をみつけてくれれば持ち主でなくても『お礼』をします、というやり方にすればもっと効率よく探せそうな気もするけど、ダメでしょうか?
(cf.共同通信@excite:松下が6千万世帯にはがき 温風機事故の危険性周知[LINKROT]
口の悪い後輩 (企業倫理専攻予定) に言わせると“
あれも企業ブランドの宣伝ですから”ってことになるみたい、だけどそれだけじゃないでしょうし、なんでやらないんだろう。 01/12/06
*確認する手間や偽装される可能性を考えたら、いくら資金があっても無理なのかもしれない。だとするとそれって結局はつくり手≒理系のエトス云々じゃなくて、売り手≒文系の問題になるのかな〆